胡蝶蘭の送り方のマナー

大切な方への開店祝いや開業祝い、昇進のお祝い、あるいは結婚式や長寿のお祝いなど、さまざまなハレの場で贈られる定番の花といえば「胡蝶蘭」です。

優雅で豪華な見た目に加え、花が長持ちすることや、縁起の良い花言葉を持つことから、法人から個人まで幅広く利用されています。

しかし、いざ「胡蝶蘭を贈ろう」と思い立ったとき、どのような基準で選ぶべきか迷う方も多いのではないでしょうか。

本記事では、胡蝶蘭の基本的な知識から選び方のコツ、失敗しないための注意点まで幅広く解説します。この記事を読むことで、あなたの贈る胡蝶蘭がより一層喜ばれる存在になるはずです。

1. 胡蝶蘭ってどんな花?

胡蝶蘭は、蘭の仲間の一種で、英名では「Phalaenopsis(ファレノプシス)」と呼ばれます。

その名のとおり、まるで蝶が舞っているかのようなエレガントな花姿が特徴。白やピンク、黄色など豊富な色合いがあり、花のサイズもミディタイプから大輪タイプまで多彩です。

開花期間が長く、育て方のポイントを押さえれば1ヶ月以上にわたって花を楽しめるのも魅力。さらに、水やりや日光などの管理が比較的やさしいため、花に詳しくない方にも扱いやすいメリットがあります。

2. 胡蝶蘭を贈るシーン

胡蝶蘭は「幸福が飛んでくる」「純粋な愛」という縁起の良い花言葉があり、ビジネスやお祝い事などあらゆるシーンで贈りやすい花です。

特に法人向けでは、開店祝い・開業祝い・移転祝い・就任祝いといった節目に贈るのが一般的。

また、個人向けのギフトとしては、結婚式・結婚記念日・長寿のお祝い・卒寿など、人生の転機にもふさわしいといえます。

近年はお悔やみ用の洋花としても用いられる場合があるため、葬儀や法事のお供えとして選ばれることも増えています。

3. 胡蝶蘭の種類と選び方

胡蝶蘭を選ぶ際には、主に以下のポイントを考慮しましょう。

3-1. 花の色・品種

一番ポピュラーなのは白色の大輪タイプです。清潔感や高級感があるため、ビジネス用途では特に好まれます。

一方、ピンクや赤リップ(白をベースに中心が赤いもの)、淡い黄色などは華やかさを演出したいときに重宝されます。

また、最近では珍しい斑点模様のものや、青や紫に染めたタイプもありますが、前衛的な印象になるためシーンに合わせて選ぶとよいでしょう。

3-2. 花の大きさ

胡蝶蘭は大きく分けて「大輪」「中大輪(ミディ)」「ミニ胡蝶蘭」というサイズに分類されます。

ビジネスシーンでよく見られるのは大輪タイプで、迫力があり贈り物としての印象が強いのが特徴。

一方で個人宅へ贈る場合や、設置スペースが限られるオフィスなどでは、中大輪やミニタイプを選ぶことも多くなりました。相手先の置き場所や管理のしやすさを考慮して、サイズを決めることが大切です。

3-3. 本数(本立ち)

胡蝶蘭を選ぶ際には「何本立ちか」が明記されていることが多いです。

一般的には3本立ち・5本立ち・7本立ちなどが流通しています。本数が多いほど花も多く豪華になる反面、価格も高くなります。ビジネスシーンでは3本立ちか5本立ちが主流です。

大切な取引先や社長就任祝いなど特別な場合は、より豪華な5本立ち以上を選ぶとよいでしょう。

個人宛のギフトであれば3本立ちのミディタイプやミニタイプで十分気持ちが伝わるケースも多いです。

4. 胡蝶蘭の価格帯と予算の目安

胡蝶蘭は高級花として知られますが、実際の価格はさまざまです。

相場としては、大輪タイプの3本立ちだと1万円台後半から3万円程度、5本立ちになると3万円台~5万円台くらいが目安です。中大輪やミニタイプは比較的安価で、3本立ちなら1万円程度から選べるものもあります。

ビジネスシーンで取引先に贈るのであれば2万円前後、より格式を重んじる場面では3万円前後という予算設定が多いようです。

個人のギフトなら1万円台でも見栄えの良いものがありますので、相手との関係性やシチュエーションに応じて予算を決めましょう。

5. 品質の目利きポイント

胡蝶蘭を購入する際に、見た目の華やかさだけでなく、いくつかチェックしておきたいポイントがあります。

  1. つぼみの数:まだ開いていないつぼみが多いほど、今後長く花を楽しめます。
  2. 葉の状態:ツヤがあり、ハリのある葉を選びましょう。病気や枯れかけのサインがないかも確認が必要です。
  3. 根の状態:鉢から根が飛び出している場合でも、しっかり張っていて茶色く変色していなければ問題ありません。
  4. 花茎の支え:支柱に固定されている場合は、茎が折れたり曲がったりしていないかチェックしましょう。

直接店舗で選ぶ場合は、店員さんに相談してみるのもおすすめです。

通販の場合は、信頼できるショップや生産者のレビューを参考にし、品質保証や返品・交換のポリシーを確認しておくと安心です。

6. 胡蝶蘭を贈るタイミングとマナー

ビジネス用途の場合、開店祝いや移転祝いでは式典当日までに届けるのが理想的です。遅くとも1週間以内には届くように手配しましょう。

ただし、先方が受け取りの準備をしているか、置き場所があるかを事前に確認する配慮も大切です。

また、開業直後はバタバタしていることが多いので、あらかじめ相手の都合を聞いておくとスムーズです。

個人のギフトの場合は、贈るタイミングは比較的自由ですが、誕生日や記念日の当日、もしくは前日までに届くようにすると喜ばれます。

直接手渡しをする場合でも、先に連絡を入れるなど気遣いを忘れないようにしましょう。

7. 胡蝶蘭が長持ちする育て方

贈った後も胡蝶蘭を楽しんでもらうためには、ある程度のお世話が必要です。

一般的には、明るい室内(直射日光が当たらない場所)に置き、根元が乾いたら水を与える程度で問題ありません。冬場は暖房が効いた室内で乾燥しがちになるので、葉水や周囲の湿度にも気を配ると花が長持ちします。

また、エアコンの風が直接当たらないように配置すると、花弁やつぼみが傷みにくくなります。上手に管理すれば、1ヶ月以上きれいな花を保つことができるでしょう。

8. 贈り先への気遣い

大輪の胡蝶蘭は見た目に豪華ですが、置くスペースを取るのも事実です。

相手のオフィスやお店、ご自宅の広さや雰囲気を考慮して、最適なサイズや本数を選ぶことが大切です。受け取る側が管理しやすいように、あえて中大輪やミニタイプを選ぶのも良い方法です。

また、リボンやラッピングの色味を相手の好みや店舗のイメージカラーに合わせると、センスの良い贈り物になるでしょう。

9. 信頼できるショップを探そう

ネット通販から花屋さんでの直接購入まで、胡蝶蘭を手に入れる方法はいくつもあります。値段だけでなく、アフターケアや配達の迅速さ、梱包の丁寧さなどもチェックしておきましょう。

特に遠方への発送や、お悔やみ用のように配送タイミングがシビアな場合は、ショップ側としっかりコミュニケーションを取り、確実に届けてもらえるように段取りすることが重要です。

口コミやレビューだけでなく、実際に問い合わせをしてみて対応がスムーズかどうかを確認するのも安心材料となります。

胡蝶蘭のまとめ

胡蝶蘭は、その優雅な姿や長持ちする性質、縁起の良い花言葉から、多くの人に喜ばれる贈り物として定番化しています。しかし、「どれを選んだら良いかわからない」「高級だから失敗したくない」という悩みは、誰しもが抱えるもの。

色やサイズ、本数などの基本的な選び方を押さえ、予算・贈り先・用途に合った形で選ぶことが成功への第一歩です。また、実際に贈った後の取り扱いや、相手の負担にならないかといった配慮も大切なポイント。

信頼できるショップを見つけ、贈りたい気持ちをしっかり伝えられるようにすることで、あなたが贈る胡蝶蘭がより特別な存在になるはずです。

ぜひこの記事を参考に、最適な胡蝶蘭を選んでみてください。